脳神経科学的に見る、人からフィードバックを受けることの効果〜興奮の伝達経路の変更〜



昨晩、弊社の社長とその友人と銀座で一緒にお酒を飲んでいたのだが、彼からもらったフィードバックが、とても心に残っている。

『これまでは、会社の中にある穴を埋めていくということを、きたむはしていたと思うんだよね。でもそれが、変わりつつある。会社という穴じゃなくて、社会という大きなものの中にある穴を見つけて、埋めようとする。ここ2〜3ヶ月くらいかな、そんな思考と行動になってきたよね。いいね、それをすごく感じるよ。』


私はこれを聞いて、「なるほど!確かにそうだ!」とかなりしっくりしたと共に、
多分この方向性で良いのだな、と確信した。


個人的には、このような自分の今までを再構築・再定義できるような機会をたくさん持つことがとても大事だと思っている。
他の言葉でいうと、『振り返り』とかも同じものになるかもしれない。

そして、これは自分1人だけでは困難だ。
というのも、自分1人だけでは自分という存在が成す一方向からの思考しか基本的にもたらせない。自分で考えられることなんて、所詮たかが知れているのだ。



これ、脳神経科学的に言うと、実に簡単に説明できる。

脳神経科学的には、自らの記憶や感覚というものは、ニューロンとニューロンの接触点であるシナプスを通じて互いに連結している。その連結点で、人体にもたらされた興奮を伝達しているのだ。
基本的にその連結は、自らの認識の中のみで行われているので、そのシナプスを通じて、通じているものもあれば通じていないものも存在する。

例えば、Aという経験をした時にXという感情が湧き上がったとしよう。そして、そのXに対してαという思考をした、そういうことにしよう。
自分の中ではそんな構造があったとしても、そのAとXに対して、別の人がそれを知った時にβという思考することがあるのだ。


ニューロン(神経細胞)の構造図ーhttps://bsd.neuroinf.jp/wiki/


具体的に書こう。

自身が取り組むプロジェクトが最終的にはなんとも微妙な成果で着地して終了してしまった。自分としてはそれに対してとても悔しい、辛い、もうどうしよう、、、というような感情が湧き上がっている。そして、だからこそもう自分はこの会社ではやっていけないのではないか、これからどうすべきかわからない。
という状況。これ、多少言葉を置き換えたらどんな人にでも有り得る話だ。

そんな時、ここにとある友人が来て、その経験と感情をシェアした。
するとその友人はこんなことを思考したと話してくれた。

「いや、悔しいし辛いし、それはたしかにそれも分かるんだけど、でもそんなプロジェクトをやってみて、そんな経験ができたのはとてもいいことだよね。その悔しさがあるから、もっとこうした方がよかったとか次はこうしようっていう気持ちが湧き上がってくるんだし。これをまた次に繋げる!そんな考えがあってもいいと思うし、少なくとも私はそんな風に君が思ってもいいんじゃないかなあと感じるかな。」


こんな風に、他者と話すことで自分の中ではネガティブな記憶になっていたものが再定義・再構築されて、ポジティブな記憶に変換されるということが、結構ないだろうか。

これ、そのシナプスでの興奮の伝達経路を、他者がぐいっと変えてくれているのだ。
つまり、良いフィードバックを受け続けることは自分の過去のいろんなしがらみを、これからの未来に繋げてくれる良き機会となる。

(ちなみにこれ、間違えたフィードバックによって記憶がねじ曲がることもあると言うことなので、要注意だ。)



こんなことを仕組みとして出来るだけ起こすように、私は2人ほど、毎週ほぼ確実にあってお互いのことを話して聞いてフィードバックするような関係の人がいたりする。
そんな毎週会うのを、もう半年以上続けている。

これ、実に良き気づきが毎回訪れるので、結構おすすめだ。


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