"助ける側"と"助けられる側"の上下関係をなくすために、解決すべき4つの問題。




先日、嬉しいニュースが飛び込んできました。

■日本初の大賞受賞!TABLE FOR TWO「おにぎりアクション」が、「アジア・マーケティング3.0アワード」大賞を受賞


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000008886.html


こちらで表彰されているのは、NPO法人TABLE FOR TWO International、
私が学生時代に所属していたNPOです。

こちらはアフリカの子供達の食糧支援をしているNPOでして、今はすでにグローバルに展開する日本でも最も知られるNPOの1つになりました。


今回受賞したのは、以下のページのキャンペーン。


■世界食料デーキャンペーン おにぎりアクション2017 - TABLE FOR TWO

http://jp.tablefor2.org/campaign/onigiri/

おにぎりの写真を撮ってSNSに投稿するだけで、世界中の飢餓状態にある子供達に給食を届けることができるというものです。


私は昔こちらのNPOにて、大学での運営と、企業間のアライアンスとそのキャンペーンの統括をさせていただいていいたのですが、このようにTABLE FOR TWOが行うキャンペーンが日本の外でも評価されるということは、卒業生としてなんとも嬉しいことです。



このように、昨今ではNPOが大きなインパクトを残す取り組みをしたり、そもそも若者が社会貢献などを求めて動くということが多くなってきていることは、様々なところで見られるようになってきました。

ただ、世の中の構造として、どうしても助ける側と助けられる側という構造、さらに言うと、助ける側が偉い、助けられる側が目下、というような上下関係がなんとなく存在することも確かです。
もちろん、目に見えた上下関係がなくとも、実際に助ける側も助けられる側も心の中でそんなことを感じてしまうようになってしまっているケースはよくあると思うのです。


私自身、TABLE FOR TWOに所属している時もそう思ってしまう部分は少なからずあったかと思いますし、先日記したこちらの記事↓の中でも言及しているようなギバーの生態系を創造していくということを考えても、その『助ける側』と『助けられる側』の心の差異というのは結構気になるところでした。

■最新の名著である『GIVE & TAKE』の世界観は、遥か昔、仏が語った『三輪清浄』の世界観と同じである。
http://yuki-kitamu.blogspot.jp/2017/08/give-take.html




そんな折、ふと読んだMITのエドガー・H・シャイン名誉教授の『HELPING』に、その上下関係をなくすために必要なことが書かれていました。

http://amzn.to/2wEJta2


この著書の中では、助ける側と助けられる側というのを"支援者"と"クライアント"という呼び方をしています。


■支援者からクライアントに対して支援を行う際に重要なこと(P.119〜)

支援者からクライアントに対して支援をする際、以下の3つが重要であると、エドガー教授は記しています。

1. 何か重要なことを知っているという役割を与えて、クライアントの立場を確立すること
2. その状況への関心や思い入れを伝えて、一時的なものであるにせよ、人間関係を築く意欲を高めること
3. 重要な情報を得ること



確かに、相手が下になるような関係性を解き放つためには1と2は必要でしょうし、その後の支援をさらに効果のあるものにするためには、3もとても重要なものでしょう。

ただ、この3つだけでは実際に助けたい相手がいた時に、何をすれば良いか少しわかりにくいかもしれません。

そうして読み進めていくと、この"支援者"と"クライアント"という立場を、特に自身と周りの人という関係性だけではなく、自身が働くチームの中でも"リーダー"と"メンバー"という立場でもこの"支援者"と"クライアント"という関係性が成り立つと言及しています。

そこでは、リーダーがメンバーのどんな問題を解決すれば良いか、どう安心感を作るべきかということで4つの問題を取り上げています。
それを、以下にそのまま書いてみますね。



■成果をあげるチームワークの作り方ー解決すべき4つの問題(P.178〜)

1. 私はどんな人間になればいいのか。このグループでの私の役割は何か。
2. このグループで、私はどれくらいのコントロール、あるいは影響を及ぼすことになるか。
3. このグループで、私は自分の目標、あるいは要求を果たすことができるか。
4. このグループで、人々はどれくらい親しくなるだろうか。


この4点に関して、以下のような背景も同時に記しています。

→1. 多様な人生の状況において、誰もがさまざまなものになる能力があることを反映している。
→2. 人間としてある程度の影響を及ぼしてたいというわれわれの願いに焦点を当てている。
→3. グループにそもそも自分が入った理由と関係している。
→4. グループのメンバーがどれくらい個人的に、また感情的に関わるかという点に関連している。



ここでは、あえて問題を挙げるところで止めてみます。

というのも、明確にこうしたら上下関係を無くせますよなんてものは存在しないからです。
相手は人ですからね。普遍的にこうしたらこうなるなんて、システムみたいなものは人と人の関係性においては確実に成功する一般論なんて存在しません。

これについてはこの本の中でも言及されていますが、
それぞれの相手のこの4つの問題を解決するために取り組むことで、"助ける側"と"助けられる側"の上下関係を縮めることができる、その手段は相手によって異なりますよと。

それがひたすら問いかけることによるものかもしれないし、アドバイスをふんだんに入れ込むことかもしれません。
それは仕事中に言った方が良いのかもしれませんし、仕事外で言った方が良いのかもしれません。
対面で言った方が良いのかもしれませんし、電話で言った方が良いのかもしれません。


でも、この4つの解決すべき問題という指針があるだけで随分と相手とフラットに話せるように思いませんか?

個人的にはかなり衝撃的な4つの問題だったので、ぜひとも自分も駆使できるようにしてみようと思ったわけです。


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