"個人"がもてはやされる時代というのは、"組織"を否定する人があまりにも多い時代だということだ。




21世紀に入り、はや17年。
個人の時代がくると言われ、それくらいの年月が経ったことになる。

最近ではようやく転職も普通になってきたし、会社に所属せずに個人で仕事をする人が多くなってきていることは日々新聞やニュースなどで報道されるようになってきた。
特に会社に所属をせずに生きることが昔と比べたらちょっと普通になってきたのだ。


そんな時代だからなのかわからないが、
「起業しないの?」「起業してみれば?」「いつ会社辞めるの?」と聞かれることが多い。

正直私は起業したいと思ったことも、1人で独立したいとも思ったことがなく、
『まあ必要があればいつか起業するかもなー』くらいでしか考えていない。

そんな風に考えていたのだが、あまりにも多くの方に『会社なんて悪』『自分でやるほうがいいよ』という論調で諭されるので、まずは一般的にどのようなメリットデメリットがあると言われているのか、書き記してみようと思う。


■メリット
・どこでも働ける、時間の設計は自由、など生活の仕方が多様に
・好きを仕事にすることができる
・会社の規則などなどに縛られることがない
・誰からも指示されることがない

■デメリット
・当然ながら自分で営業しないとお客さんは取れないし、稼げない。給与は安定しない
・社会的な信用が得られない
・福利厚生はない
・リスクが大きい


と、こんなものがよく様々なところで挙げられるだろうか。社会一般的にはこれらが"個人の時代"に伴って起きることである。


だが、このような組織開発/事業開発の仕事をしている身としては、正直そこまでしっくりきていない。
私のごくごく限られた知識・経験だけでの考察ではあるが、なんとも上澄みをすくったかのような、表面的な言葉たちだと感じる。


私自身が感じるメリットデメリットは、少し違う。
以下に記していこう。

■メリット-北村案
・自分が「楽しい」と思うことに力の全てを捧げることができる
・自分の大切にしたいと思うものをしっかりと大切にすることができる
・全てが自分の責任となる

■デメリット-北村案
・お金を稼ぐという視点が強くなり、誰かのために行うという視点が欠ける可能性が高まる
・成果量、質が低い
・コモディティ化が進む(人が個人でできることのジャンルというのはとても狭いし、同質化同一化する。気がつけば、同じ小さなコミュニティ内で消費し合うようになる)


これら1つにつき1つの記事が書けるほどの内容。
別に1人1人の働き方、生き方なんて他の人がとやかく言うことでは無いし、これらの細かいところまで今回は書かないのだが、これらのメリットデメリットを感じながらとても思うのは、

"個人の時代は素晴らしい"と言う人の多くが、組織を否定しているということだ。


組織は自由がない、嫌なことばかりだ。
そんな論調の中で、個人へと移っていく。

だが、そんな彼ら彼女らも一時は組織を自ら望み、組織に属していたのだ。
とすると、どうだろうか。

今度は個人を否定する時がくるのではないだろうか。


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