時代の経過と共に『信頼』は換金化される〜『信頼』のトランスファー現象〜




昨今のシェアリングエコノミーの潮流に伴い、いわゆるCtoCのサービスが使われるようになってきました。

日本ではその流れが遅いものの、配車プラットフォームのUberや民泊プラットフォームのAirbnbはより多くの人が使うようになってきているし、物の売買を行うメルカリはかなり多くの方が知っていると思われます。


世界中での検索では、さすがにこんな結果になりますね。

場所を日本に移してみても、さすがに『merucari』と調べる人はいないのかこんな結果に。

『merucari』という言葉だけ、日本語の『メルカリ』にすると、

全ての日本語にするとこんな感じですね。さすがに、UberやAirbnbをアルファベットで検索する人と日本語で検索する人に分かれるでしょうし、条件を同一にできないので正確なデータにはなりません。ひとまず参考まで、こんな結果になるのです。


UberやAirbnbと、メルカリではそもそもサービス開始時期が異なりますが、このようなサービスがまず最初、一気に検索されるようになったのは2013年と2014年くらいのようですね。


実際、これらのサービスが登場してきて変わったこととして、
もろもろ『簡単になった』『便利になった』『楽しみが増えた』などの感想はどのサービスの利用者の方も言っているかと思います。
私も、この3つのサービスを利用者として、そして提供者として(Uberは除く)、かなりヘビーに使っていますので、そこらへんを感じることはとても多いです。


ただ、私がこれらをヘビーに利用するようになって最初にとても驚いたことは、
『信頼』という概念が、ほぼ実態のあるかのような"物"になったということでした。

それが何かというと、利用者と提供者が互いに互いの評価をすることができるということです。

例えばAirbnbでは、ホスト(家/部屋の提供者側)に対して利用者からこんな風にコメントがくるわけです。これが統合されて、私の信頼が定性的に表され、五つ星で定量的に評価されます。
※ちなみに、これは私に対してのリアルな評価の画面



もう1つ。メルカリでは、出品者に対して購入者からこんな風にコメントが入ります。
※こちらも、私に対してのリアルな評価の画面



これ、本当に面白いのですけれど、彼ら彼女らからの評価でかなり流入者が増減するのですよね。
Airbnbで1度、かなり否定感満載のコメントがついたことがあるのですが(部屋が汚い!!!といった感じの)、それからしばらく借りるために連絡してくる人が減りましたし、それ以降もしばらくは部屋の清潔感を気にしていると借りる前に言われることが多くなりました。
その1度のコメント以外はかなり高評価をいただいていたので次第に薄れていったのですが、そのコメントはずっと残るので、私の評価を見ていると「ん、こいつは清潔感が若干ないのか、、、?」という疑問は今後ずっと持たれるわけです。


このように、すでに人からの評価が可視化され、それ以外の方からも判断される材料になる時代となりました。
これが何を指しているかというと、『信頼』を"物"として人が生み出すことができる、そして人から人へ移転できるようになったということだなと、私はこれらサービスを利用しながら思ったのですよね。


さて、こんなサービスたちがあるというだけでなく、実際に人は自身の信頼が生活全てに直結するようになってきています。

日本だと一部の界隈の方しか利用したことがないはずですが、中国には『芝麻信用』という、各人の信用度を数字で算出するサービスがあります。(日本では使用できない)

こんな感じ↓


これ、クレジットカードの支払履歴や借り入れ残高の利用実態からスコアを算出し、ローンの借り入れやクレジットカードでの利用可能額の増加などの際の参考にするそうです。

点数が上がるとできるようになる良いことを、WEB上の記事から拝借してきます。
(上記画像もそちらから拝借)

・阿里巴巴系の旅行予約サイト「去a(aは口へんに阿)」でホテルを予約すると、ホテルでのデポジットが不要となる(600点)
・賃貸サイト「小猪短租」で敷金が不要となる(600点)
・提携するソーシャルファイナンス(P2Pファイナンス)や消費者金融で審査がすぐに通る。一部サイトでは利率が下がり、返済期限が延ばせる(600点)
・全国展開のレンタカーサービス「神州租車」でデポジットが不要となる(650点)
・上海図書館でのデポジットが不要となる(650点)
・シンガポールビザがとりやすくなる(700点)
・北京空港の専用出国レーンが通れる(750点)
・ルクセンブルクビザがとりやすくなる(750点)

ー中国の社会信用スコア「芝麻信用」で高得点を狙うネットユーザー
https://japan.zdnet.com/article/35074894/


※ちなみに、アメリカでも同様の、「FICOスコア」や「Vantageスコア」というサービスがあるそうです。


『信頼』を人が生み出せるということ、『信頼』の可視化によって人が評価されるようになっているということ、『信頼』の高低で受けられるサービスが変動するということを記してきました。

もはや、『信頼』は"お金"にも匹敵する、それ以上の力を持ったものになりつつあるわけです。


まあそんなことを言っても、そんなのみんながそうなるのなんて随分先でしょ?
しかも、あんまり現実味ないよね。

そう思うことも正しいのかもしれません。

でも、実際にそんな世界が目前に迫っているというか、すでに到来している、そして今後加速度的にその世界が広がっていくと、日々の生活の全てが激変していくことになりますよね。

『信頼』を軽視していると、気がつけば『信頼』が少なくなっていることって、どんな時代もよくありませんか?
そんな当事者に、気がつけばなっているかもしれないのがこの時代なのだと思うのです。


こんな風にして、『信頼』について思い馳せる日曜の深夜@スタバ。


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