「相手を観察する」これが最初にできる貢献だ。



「自分を押し付けないことだよ」

最近会った組織開発のコンサルタントは、ランチを食べながらこう言った。



歳の離れた方々に対して、どのように接し、どのように協同し、どのように価値を発揮すれば良いのだろうか、、、

これは、まだ働きはじめて数年の若手の誰もが当たる壁かもしれない。
お客様が随分歳上だったり、そもそもかなり歳の離れた方が大半を占める業界だったりすると、なおさらである。

知識も経験もまだまだ追いつかないことが多々あり、でもすぐに知識も経験も身につくわけではないからモヤモヤも晴れず、「早く歳を重ねて知識も経験もほしい」と心の底から思う方は少なくないはずだ。


かくいう私も、その1人だ。

知識も経験もない中で、年齢が倍以上のお客様に対してどのように貢献すればいいのだろう、今でも思うところではある。


「自分を押し付けないことだよ」

ただ、この言葉を言われて、はたと気づいたのだ。

むしろそうやって愚直に進めることしかできないって、昔理解したはずじゃないかと。



私は今10名弱のスタートアップで事業開発を担当しているが、立ち上げから参画しているので、一番古いメンバーである。

最初のフルタイムのメンバーは、40代の社長と私だけ、周りも40くらいの面々で、当時22歳だった私は毎日悩んでいた。

「自分がここでできることなんて、あるのだろうか」

どう見ても、私だけ圧倒的に何もないのだ。知識も経験も、劣るというよりゼロなのである。

それでも意見だけは持ち、「こう思うんですよ!」と自分をぶつけながらもうまくいかず、悶々とした日々を過ごしていた。

1年弱ほど悩み、一度腐りかけて当時の社長と吉祥寺のマクドナルドで大喧嘩をしたことを今でもよく覚えている。


そんな頃、些細なことだが自分としては大きな出来事があった。
社長が働く姿を見ていて、たしかにどうしても抜け落ちていく仕事が、かなりの量存在していた。
その抜け落ちていく仕事の中でも、これなら自分でもできるかもしれない、、、と思うものをただひたすらに進めていくと、社長の働きやすさや時間配分の仕方が随分と良い方向に変わっていったのだ。

これは私の中でとても強く記憶に残っている。

「自分がどうこうしたいからこれをやる、というのではなく、相手ができていないことに対してひたすら愚直にやればいいんだ」と。


ランチを共にしたコンサルタントの方の話を聞いて、これを思い出している自分がいた。

ああ、たぶんこういうことって気がつけば自分の意識から遠ざかってしまうから、時々考えられるようにしておかねばならないなと。


かの有名なピーター・ドラッカーも、以下のように言っている。

『これからは、誰もが自らをマネジメントしなければならない。自らを最も貢献できる場所に置き、成長していかなければならない。』
ーピーター・ドラッカー

自らを最も貢献できる場所、それはもしかしたら、相手を観察するその場その場なのかもしれない。


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