10円玉ハゲに見る、"網羅性"のある情報と"個別具体性"のある情報の違いに気がつかないと、基本的に損ばかりするという話。






いつぞやの休日、神楽坂の奥地に佇むとあるカフェでゆるりと話そうぜと、友人と会ったときの話だ。

以下の写真を見てほしい。




レジでやりとりをしているのが私だ。
そして、レジの目の前の席に座る友人は、私が読んでいた本を立てかけて、この写真を撮っていた。

撮ったあとは、「本と名前と一緒だねー!」「そうそう〜」とたわいもない会話をしていたのだ。
(私の名前は"勇気"である)



と、ここまではごく普通の休日である。





その日の夜、友人から「今日のやつ!」と届いたこの写真を見て、そこで私ははたと気づいたのだ。

気づきたくないものが、そこには写っていた。






お分かりだろうか。
僕の後頭部、襟足のところをご覧いただきたい。


・・・楕円型にハゲとるがな



いわゆる10円玉ハゲとやらの派生系とでも捉えれば良いのだろうか。
楕円型ハゲ。まあ一旦10円玉ハゲとしておこう。

最初に10円玉ハゲという言葉を言った人は、ここまで世の中に浸透する言葉になるだなんて思わなかっただろう。
別に5円玉でも500円玉でも良かったはずだ。ビー玉でもおはじきでもいい。


さて、落ち着いて隠せるかどうか一瞬脳内でイメージする。

10円玉禿げを隠す、髪で覆えば大丈夫!みたいなことを時々聞いたりもするが、これはあまりにも端すぎて髪で隠すのはそもそも無理である。

他にはなんだか色付けするみたいなこともあるのかもしれないが、そこに特に情熱を持てない。

、、、もはや隠れない。




ということは、普通にどなた様からでも見えているということだ。これからも見え続けるということだ。

自己開示度100%。

それはそれで清々しい。


ただ、これはこの日に突如発生したものではないはずだ。発生というか、突如そこだけなくなったわけではないはずだ。

だとしたら、どなた様でもいい。目視できた方、見てもいいけど言ってほしい。

後ろ姿は自分じゃ確認不可能だし、そもそも写真ですら普通は後ろ姿を写さない。



さあ、これによってどんなことが起きるのだろう、、、と考えていくと、とあるシーンが目の前に浮かんだ。




・・・とある火曜日の朝7時34分、渋谷駅から大崎駅に向かう山手線内ではこんな状態になっているのだろう。

電車に乗って、吊り革に掴まり、鞄からおもむろに本を取り出し、若干うつむいてその本をじーっと読んでいる男性、それが私だ。

恵比寿で一気に人が降りるも、同じくらい人が入ってくる。結構混んでいるのだ。

私の後ろには、「今日学校終わったら部活サボってさー」という声が聞こえてくる。女子高生だろうか。2人いる。

そんな彼女たちが数秒話すのをやめ、無言ののちヒソヒソ声で笑っている。

ああ、これはおそらく私の襟足の10円玉ハゲを見て笑っているのだろう。うつむいているから余計目立つのだ。

もういい、もういいんだ。存分に笑ってくれ。隠しようがないんだ。

楕円型でも10円でもどちらでもいい。
そもそもそこから私はフォース的なものを体内に取り入れているのだ。
仕方ないものは仕方ないんだ。





と考えたらなんだか変な感じになった。これはやめよう。







さて、まあ起きたことは仕方ないので、いいとする。

それならば、なぜこんな事態になったのか。

普通に考えると、ストレスかなと思う。そういう話を、よく聞く。



では、私のストレスとは一体なんなのか。

「これめっちゃストレスでさ、、、」というものは正直あまり思い浮かばない。

一般的にストレスと言って考えうるものを挙げてみよう。


・ギスギスした社内の人間関係
・ぎしぎしとのしかかってくる業務の負荷
・お客様からからのご叱責
・会社の業績の凄まじい悪化
・自身のキャリアへの不安
・リストラ
・奨学金の返済
・ドロドロとした恋愛関係のもつれ
・ささやかながらも少しずつ蓄積していくパートナーへの不満
・周りが結婚していくことでの焦燥感
・パートナーの浮気
・子供の教育方針のずれ
・家や車のローン
・多重債務
・株での大損
・孤独
・両親の介護
・両親の離婚
・家の土地の相続
・親戚間での不仲
・遺産相続


、、、と挙げてみた上で、Excel上にそれぞれの自身への負担量を10段階評価して記載してそれを眺めてみたのだが、自分のストレス、と考えてみるとそこまでしっくりくるものはない。
(特段支障はないが、若干リアルすぎるので数値をここに出すのはやめた)




そこでネットで調べてみると、「ストレスじゃない!」という記事も「ストレスだ!」という記事の両方ある。信憑性に欠ける。

参考までに1記事引用してみる。





10円ハゲの原因はストレスではない!その治療方法と男性・女性による違いについて


(10円ハゲまとめ、という言葉が絶妙にツボにきた。)

探して見てわかったのだが、どれも違うことを言い、かつ全て信憑性があまりない。
確かに、全てを網羅する情報なんてなく、個人で理由は異なるはずなので、調べてもわからないのは当然である。

それはネットだけではなく、直接人から聞いた話ですらそうだ。

情報は情報でしかなく、それを鵜呑みにするのは危険だ。

ちなみに上記では「自然治癒」と書いているが、そもそもそれって解決策にすらなっていないし、私に対してほぼ何も言っていないのと同じだ。
(好きな男性/女性のタイプは?と聞かれて、「優しい人!」と答えるのと同じくくらい何も言っていないに等しい。)

もし「自然治癒」を信じてそのまま放置していたら、もしかしたら治癒せずに害を被る可能性すらある。(単純に人に見られるストレスとか、はたまた何かの病気とか)


"網羅性"のある情報と"個別具体性"のある情報の違いに気がつかないと、基本的に損ばかりするのだ。





ちなみに私でいうと、今度あるであろう健康診断の際にでもオプション的に診断を追加してもらおうかなとも思っている。
(別にこの10円玉ハゲに関連していないのだが、最近弊社代表に「脳波」とか若いうちから見てもらったほうがいいよと言ってもらっていたところである)


ちなみに、弊社インターン生(大学4年女子)に見せたら、冷静に「ウケますね」と言われて流されてしまった。
まあ、生死に関わる重大な問題さえなければ、話のネタにこのまま保有していてもいいかなとも思っていたりする。


今後お会いいただくみなさま、直接見えない私の代わりに、ぜひこの部分の状況を詳しくお教えいただきたい。



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