脳神経科学の専門家に聞く、"周りにある言葉"が自分の人生をつくるために1番大切な理由。




夜が更けていく。

現在、このブログを書き始めたのは23時58分である。

明日土曜日は朝6時から五反田で重要な打ち合わせなので、必然的に家を出るのが5時くらいとなるが、そう考えると気が急いてくる。

夜遅くなることは別に良いのだが、朝起きれるかどんどん不安になり、とあるタイミングから「もう寝ないほうがいいかも、、、」となるのだ。

6時に打ち合わせ開始なのに5時31分くらいに目が覚めるみたいな状況を考えるとぞっとする。
不安が不安を呼び、その不安がまた別のところから不安を連れてくる。増え始める不安
に対して「そんな僕のこと好きにならなくてよいよ!」と言ってもなかなか聞く耳を持ってはくれず、不安はどんどん増殖を続けてゆく。

乗る電車は、多分こちらだ。普段はバス通勤だが、バスは6時以降にならないと来ないので、必然的に電車である。




そんな時に限って、書く内容が全然浮かんでこないのである。徐々に焦りが出てくる。
まずい。





と思っていたら、睡眠というキーワードにてふと、1つ思い出した。よかった。

今日はそれを(なんとしてでも)書き記していこうと思う。



先日、三味線のとあるお家元の演奏会のお手伝い(ご来席いただいていたお客様方にずっとご挨拶をしてまわっていた)をした後のことだ。

会場を後にし、のんびり本でも読もうと近くのスタバに入ると、さっきまでいた会場でご挨拶をした女性が1人おり、目が合った。

「こちらどうぞ」

30歳前後だろうか、凛とした雰囲気の方で、きりりと透き通る声の持ち主だった。
他に席も空いていなかったし、先ほど多少お話をしていたからだろうか、さらりとお気遣いいただいた。

「ありがとうございます。じゃあ遠慮なく。」

と私は席についた。


そこでいきなり本を読み始めるのも申し訳ないな、、、

と思った私は少しくらい世間話でもと思い、「お仕事は?」と口火を切った。
その言葉を思い返してみると、なんだか典型的に想像するお見合いの最初のシーンのようだ。


彼女はなんでも脳神経科学の研究者で、主にノンレム睡眠時の脳神経の働きについて、日々ひたすら仮説を立て検証を繰り返しているようだった。

細かいことはあまり覚えていないのだが、私はふとした拍子に質問した。

「寝てる間に記憶されるっていうじゃないですか。試験期間中に寝ずに勉強するより、しっかり寝た方が結果的に脳に記憶される、みたいな話です。その記憶する情報って、どう選んでるんですか?」

「例えば明日の試験のために勉強するって考えても、勉強以外にもいろんな行為をするじゃないですか。食べたり移動したり。寝て勉強以外のことも記憶しちゃうんなら、一晩くらいなら寝ないで勉強だけした方が良くないです?」


それに対して返ってきたのは、

「記憶は頭の中で取捨選択されてるんです。そしてその選択は、重み付けの量が基準になっているんですよ。だから、その人の周りにある言葉でその人が形成されるって言っても過言ではないわけです。」


重み付け???


彼女の言葉を、完全文系脳の私が解釈したところによると、記憶の重みとは、様々な情報の残留量だそうだ。


どんな人でも、自分が見たり聞いたりしたことは自分の中に蓄積されていく。

例えば「君の名は。」という言葉を聞いたらそれが1として蓄積されていく。

もちろん他にも様々な情報が飛び交い、その中にはよく言う「右耳から入って左耳に抜ける」現状が起きて、聞いても見てもなかったと認識する情報もある。(こう書くとおかしいが、要するに認識されないということだ)

その多大なる情報の中で「君の名は。」という言葉を1つ見る、聞く、ということは「君の名は。」を選択していることになる。無意識に意識しているとでも言うのだろうか。

そうして様々な情報の蓄積がなされるわけだが、その中でもより多くの蓄積がされると、それぞれの情報に順位がつくのだ。
例えばこんな感じで。

1位:「君の名は。」
2位:「シン・ゴジラ」
3位:「聲の形」



最下位:「○○○○」

そこで、寝ると何が起きるかというと、その順位がついた中でも上位から必要最低限までの情報が選ばれし情報として残り、それ以外の情報は捨て去られる。自分には必要ないものだと認識して、自動的に消去していくそうだ。


そこまで聞いて、合点がいった。

確かに、自身が気にしていることや普段よく言われること、目にするものは強く自分の中にあるが、そうでないものはそもそも思い出せもしなくなる。



これを実体験含めよくある事柄に置き換えると、

「ポジティブなことを聞き続けるとポジティブになる、ネガティブなことを聞き続けるとネガティブになる」

というよく言われるこの話は、実に理に叶っているということだ。


「あなたがそれやってくれて、チームのみんなが喜んでるよ!ありがとう!」
「君のその考えってとっても独創的ですごいよね。私もそう考えられるように頑張る!」

のようにポジティブなことを多く聞けば、じゃあもっと喜んでもらえるように、じゃあもっと自分なりにユニークに考えられるように、と考える癖がつくだろう。


「お前のそういうところがだめだと思うんだよね、まったく。。。」
「やる気ある?もっとしっかり考えてよ」

逆にこのような言葉を多く聞けば、やっぱり自分はダメだから、そもそも私って嫌われてるし、と考える癖がつくはずである。



そう考えると、自分の周りにある言葉によって、自分はいかようにでも変わっていくことが分かる。
寝ることで、それが定着化するのだ。




0時59分、私の脳内は明朝起きれるかどうかというところで不安でいっぱいである。

私の今夜の記憶(特に寝る直前の記憶)は「不安」にかなり重きが置かれているので、そうなると寝ている間に「不安」が選ばれし情報となり、私の深層心理に残る。

その「不安」を抱えたまま打ち合わせに向かい、若干眠気の抜けぬまま話が始まり、その「不安」の影響で打ち合わせも「不安」なまま進み終わる、、、

と理論的にも想像できてしまうので、より一層早く寝なくてはと思うのだ。


では、目覚ましを3つつけて寝るとしますか、、、







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