『滋養豊富 風味絶佳』は、アメリカのとある公園でマダムからもらった"小さく丸いキャンデー"から始まった。

森永ミルクキャラメル ー https://www.morinaga.co.jp/caramel/


『滋養豊富 風味絶佳』
みなさん、この言葉を見たことがあるでしょうか。

そう、おそらく日本人ならどんな方でも一度は食べたことのあるはず、『森永ミルクキャラメル』のパッケージに書かれた言葉です。


昨日、ふと久々にこの『森永ミルクキャラメル』を購入してみたのです。
おそらく、購入したのは数年ぶり。

というのも、昨日中高生活を送っていた場所をふと数カ所巡りまして。
コンビニに入った瞬間、『森永ミルクキャラメル』が目に止まったのです。

え、なぜ『森永ミルクキャラメル』かって?

私が中高でバドミントンにひたすら打ち込んだ時に、糖分補給のためと言ってだいたい毎日持ち歩いていたのです。
結構、ほぼ毎日食べていましたし、糖分補給とか言いながら普通におやつ的な感じでいつもなめていました。
今それをやったら糖分の取りすぎと言われてしまうかもしれませんが、あの頃はいくら糖分を摂取しても大丈夫だったのですよね、、、(遠目


さて、そんなこんなで、私はよく『森永ミルクキャラメル』を食べ、昨日久々に中高生活を思い返していたので、食べたくなったのです。

ビニールの袋の上側の赤いところをぺりぺりと引っ張って開け、ビニールからオレンジ色の箱を取り出します。
側面の白い部分を押し出すと、銀色の塊がいくつも姿を表すわけです。

そこで1粒取り出し、一枚一枚皮をめくるように開いていくと、黄土色の四角くて可愛げのある小さなキャラメルがついに登場。

口に「ひょい」と投げ入れてみると、なんとも芳醇な甘みが口の中に溶けていき、、、


と、そんなことをしていたら、10年前は気にならなかったことが気になってきます。

『はて、キャラメルってなんで作られたんだろ?』




そこで調べてみると、なんともキャラメルを見る目が変わりました。
(もともと好きだったのですが、もっと好きになりました)



キャラメルを作ったのは、もちろん森永さん。森永太一郎さんですね。
売り出したのは、1899年のようです。森永さん、36歳のタイミングでこの年に2畳ほどのお店を作り、そこから森永製菓が始まったよう。

ただ、その頃はアメリカから持ってきた製法を元に改良を重ねキャラメルを完成させたそうですが、気候が合わずにすぐにベトベトしてしまい、品質も悪かったそうです。

1粒1粒、ペーパーで包み缶に入れたり、数粒まとめてブリキ缶に入れたりするも、品質面とコスト面がなかなか改善されず苦心。
それでも改善を続け、事業のスケールを考えて箱が紙に変化し、、、

1914年東京・上野公園で開催された大正博覧会の特設売り場で初めて、ポケットサイズの紙サック入りキャラメル(20粒入り)10銭を「土産用」として販売したところ、爆発的な人気を呼び、『森永ミルクキャラメル』が誕生したそうです。


ただ、ここに至るまでの彼の生き方がもはやすごい物語。
簡単に書くと、こんな感じです。


佐賀県生まれ。親なく、ほぼ孤児のような状態で12歳まで過ごす

陶器の家に拾われ、そこで商売人としての力を養う。

24歳の時に、事業がうまくたまたま泣きついてきた九谷焼の職人がおり、その九谷焼を借金して購入し、渡米し売りまくろうと決意

渡米するも全く売れず、借金だけが残る

仕事なく食べ物なく、栄養不足で死にかける

公園で座っていたら、とあるマダムがキャンデーをくれる

あまりに美味しすぎて感動し、これを自分のように栄養に困る人に安く提供できるようになろうと決意

製菓店やベーカリーなどで修行を積む

36歳の時、日本に帰る


こんな道を辿り完成した『森永ミルクキャラメル』。
このパッケージに書かれた『滋養豊富 風味絶佳』は、森永太一郎さんのこのアメリカでの経験が強い原体験となり、
『美味しくて栄養価の高いキャラメルを、世界中の子ども達に食べさせたい』という想いになったそうです。



、、、これを見ると、今当然のようにキャラメルを食べていることに感謝したくなりますね。
いや、もう心の底から感謝ですよね。


森永太一郎さん然り、日清食品の安藤百福さん然り、今の大企業を創り出した方々の話を調べていくと、本当にその原体験から湧き出る想いを元に会社を、製品を創っていったことがとても強くわかります。

これこそ、自らの仕事が社会に繋がる感覚だよなあ、、、と思いつつ、誰しもがこんな気持ちを仕事とリンクさせる世界になったら、とても素敵だと思うわけです。


ということで、私は今後しばらくキャラメルをよく購入するようになると思います。笑





※ちなみに、キャラメルのHPを見ると、広告ギャラリーを見ることもできます。明治初期からの広告の変遷がとても面白いです。

https://www.morinaga.co.jp/caramel/history/poster.html

コメント