『3月のライオン』から見る、自分だけの幸せの捕まえ方。〜"空間的広さ"と"日常性"の最中に〜


『幸せへの一手は、絶対にあるはずだ。』

そんな言葉が、自分の中を疾走していく。
そんな作品。




『3月のライオン』をご存知だろうか。

マンガからアニメ、実写化とどんどん多岐に渡り創られている作品だ。





■あらすじ
東京の下町に一人で暮らす、17歳の将棋のプロ棋士=桐山零(きりやま れい)。彼は幼い頃、事故で家族を失い、深い孤独を抱えた少年だった。そんな彼の前に現れたのは、あかり・ひなた・モモの3姉妹。彼女たちと接するうちに零は…。 様々な人間が、何かを取り戻していく、戦いと再生の優しい物語。








とにかく、将棋、将棋、将棋。


だが、似たジャンルだと囲碁の世界を描いた『ヒカルの碁』というマンガがあるが、これとはまた系統が異なる。















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『ヒカルの碁』が"時間的深さ"と"特殊性"を携えた作品だとするなら、

『3月のライオン』は"空間的広さ"と"日常性"を携えた作品だろうか。



私の好きなシーンを1つだけ挙げよう。

主人公の零が時々居候をする家の次女、ひなたがクラスでいじめられていた女の子を庇ったら、今度は自分がいじめられるようになった。
それを家族と零に打ち明けた後の1コマ。


その時 泣きじゃくりながらも そう言い切った彼女を見て
僕はかみなりに撃たれたような気がした
不思議だ
ひとはこんなにも時が 過ぎた後で
全く 違う方向から
嵐のように 救われる事がある



ひなちゃん ありがとう
君は ぼくの恩人だ
約束する 僕がついてる

出典 羽海野チカ『3月のライオン』(白泉社)第5巻より【桐山 零】




こんなシーンをはじめ、この作品を全て観ていくと、一貫して流れるものがあることに気がつく。

それが、零の育て親である幸田が「将棋が私の幸せを全て奪った」と言う実子の香子に放つ、
この一言に込められている。

『将棋は幸せを奪ったりしない。香子の幸せへの一手は、絶対にあるはずだ。僕は、君を応援するよ。』

私は、そう思うのだ。



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