『デザイン・シンキング』を取り入れれば成功する事業が創れるって、ほんと? 〜上手くハマる会社と、ハマらない会社の違い〜




本日、様々な会社の新規事業を担う方々、合計15人くらいとお話をさせていただく機会がありました。
そこで強調されるのは『デザイン・シンキング』というもの。

『デザイン・シンキング』って、何かご存知ですか?

聞くことはあれど、私も正確な定義を知らなかったので改めて調べてみました。


■デザイン・シンキングとは何か
http://business.nikkeibp.co.jp/article/design/20140508/264172/

 生活者がどんな行動を取り、どんな考え方をするか、どんな感情を示すか、などを詳細に観察し、時にはインタビューすることで何を求められるのかを把握することが、発想の起点になる。ニーズを理解できれば、簡単なスケッチを描いて示し、ニーズと合致するかを検証するデザイナーもいる。求められているものが明確になるまで、こうした作業を行きつ戻りつしながら、何度も繰り返す場合もある。

 生活者も、自分のニーズを理解していないかも知れない。必ずしもロジカルには行かず、無駄な作業も増える。だが生活者の本音を的確に把握して発想すれば、たとえ技術やマーケット上の「常識」とは異なっても、生活者の利便性につながるものが出来上がるに違いない。

 現状を分析・理解してアイデアを考え、プロトタイプを作って検証して再度、現状を分析したり考えたりする、といった思考法を優秀なデザイナーらは「頭の中」で無意識に行っているはずだ。「デザイン・シンキングは分かりにくい」と言われるのは、このためだろう。それでもあえてデザイン・シンキングについて定義すると「人間を中心に発想すること」といったシンプルな表現になってしまう。


とまあ、一部引用してみましたが、なんとも分かりにくいですね。
一応図もいくつか記してみますので、気になる方はぜひ御覧ください。

図1 デザイン・シンキングとは何なのか?


図2 なぜデザイン・シンキングが注目されるのか?


図3 デザイン・シンキングを活用するとどうなるか?



さて、こんな『デザイン・シンキング』みたいなものを取り入れると、新規事業が上手くいくとのこと。

ムムム、ほんとかいな?

というのが正直な私の気持ち。

今の私の会社の事業が上手くいっているのかは分かりませんが、先日のハッカソンでの最優秀賞受賞などをはたから見るとどちらかというと上手くいっているほうなのかもしれません。

ですが、別に『デザイン・シンキング』などなどを使って事業を創ってきたとは思わないんです。

そして、事業を創る人が違うにも関わらず、やり方をトレースすれば同じように成功の道に突き進む、、、みたいに取り上げられるのはどうなんだろうかと。



そこで本日の会話を辿っていくと、切実な企業の声が聞こえてきたような気がしました。

もはや高度経済成長期のように人を囲ってガシガシ回せばやれば成長する時代でもなく、いくらやっても成長しないということが当たり前の時代。
気がつけば海外の方が日本より圧倒的に稼ぐこの時代。
既存の事業を推進するのではなく、他社がやっていないこと、そして売れるものを創るというところに無理矢理にでも取り組んでいかないといけないこの時代。

どうにかして新規事業を創ろう、そんな人材を増やそう、という会社がたくさんあるのだなあと、今日しみじみ思いました。


私の会社が取り組むのは組織開発、とはいえイノベーションをどう起こすか、新たな事業をどう創るかというところにフォーカスせず、1人1人の社員がどうやりがい働きがいを感じながら楽しく働くことができるか、
そんなところにフォーカスしているので、お客様側にこういう発想をしていただくことが普段ないのですよね。


さて、その違いを認識したところで強く思ったことが2つあります。

■1つ目
『デザイン・シンキング』をすることが目的化する会社・部署は事業創りなんて頓挫するんだろうなあということ。

■2つ目
『デザイン・シンキング』を用いつつも事業開発をする面々の強い強い心の底からの想いを共通の世界観として取り上げ、それの実現に向けて邁進することができるのであれば、体力(資金と人)が持ち続ければ確実にその世界観への道を歩み続けるのだろうなあということ。




事業を創るために『人間中心』で考えましょう
というのと、
『叶えたい世界を創る』ために事業を創りましょう

というのでは、凄まじい隔たりがあります。

(ここら辺の違いについて議論したいなあと、終わった後に強く思ってしまったという。)



そんなことを思いつつ、自分たちの事業を通して創り上げたい世界観をもっとビシバシ明確化した方が良いのかなあとも、強く思ったのですよね。


こういう機会は本当にありがたいです。

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