「茶道」が「メルカリ」や「LAVA」に徹底的に負けるのは、人に対しての思いやりが足りないから。




昨日、前職に入るタイミングで採用担当をしてくださっていた先輩と久々にランチを共にしてきました。
私の新卒時の採用担当ということもあり、時々相談したり現状報告したりするのです。


その時におっしゃっていたことが印象的でした。

『茶道の体験に同僚とこの前行ったんだよね。茶道って初めての人がお点前とかしちゃいけないんでしょ?私ほぼやらなかったもん。なんか細かい決まりがたくさんあってさ。敷居高いよね。』


それを聞いた瞬間に、
「うわあ、これぞ茶道はじめ日本文化すべてに蔓延するほんと最悪なところだよな、、、」
と、とても残念な気持ちでいっぱいになりました。



そこで、ちょいと考えてみよう思った『茶道をやってみたいと思う20代後半〜30代前半女子が茶道に関わるまで』の流れを考えてみたところ、あまりに茶道そのものにたどり着くまでの障壁が多すぎてとてもげんなりしましたので、今日はその障壁について書いてみましょう。



■有益な情報を探すのがかなり困難

「茶道 体験」というキーワードにて調べてみると、こんな表示になります。


このファーストビュー、そして下にスクロールして表示される全部のリンクを押してみて気がついたのですが、
正直有効なデータがあまりありません。

以下、パッとみて感じた有効なデータがない背景

・インバウンド集客のために、「茶道」というキーワードだけ満載で入れられている
・和菓子作りや煎茶の淹れ方の体験の記事にも「茶道」というキーワードが入れられている
・アフィリエイト目的っぽい記事が多め
・なんだかHPが旧式すぎて信頼感に欠ける
・HPのUIが悪くて、何がなんだかわからない

まずこの段階で誰しもが
『わからないな、、、まあいっか、、』と離脱すること必至。


■別にみんな「和の心」を求めているわけではない

色々探しても、訴求として「和の心」を推しているところが多め。

でも、ちょっと心を落ち着けて考えてみてほしいのですが、「和の心」を求めて行動する日本人っているのですか?
海外の方なら、「武士道的精神」「日本人の精神性」とかに興味がある人がいてもおかしくないですが、それなら全部英語にすべき。

日本人の方が茶道をしたいと思う時に求めているのって、「和の心」ではほとんどないはずです。
例えば、こんな理由でしょうか。

・着物が着たい
・可愛い和菓子が食べたい
・普段忙しすぎる生活を離れてゆっくりしたい
・非日常の世界を味わいたい
・禅の世界に興味がある
・マインドフルネス的要素を学びたい


■総じて、レピュテーション(信頼度)低め

例えば、、、

・お金高いかも、その場にいる人の身分が高いのかな(世間離れしてる?)、必要なものが何かわからない、、、などの心配ごとだらけ
・初回行くハードルを下げてくれるような配慮少なめ(主催してる人のことを丁寧に伝えるとか、参加者の声を記すとか、なし。「初めての方でも安心♩」という記述なんて何も言ってないのと同義。)



昨日、先輩に会う前にも様々な方から
「どこで茶道やれるの?」
「茶道ってどうやったら始められるのかな?」
「茶道って私みたいな人間でもできるのかな?」

などなど相談を受けることがとても多かったのですが、自分で調べてみてびっくり。
こんな状態で、やり始められる人なんてほぼいないはずですね。あまりにも、探してくださる方への思いやりに欠けています。

そうしたら、メルカリで思い立った時に服を買う、じゃらんで旅行の予約をする、すぐに調べてLAVAにホットヨガの体験に行く、など他のことに時間を割くに決まっているだろうと思うのです。



もっと茶道はじめ日本文化の世界は良くなれるはずなのに、、、と危機感を感じながら、ここら辺にアプローチするお仕事をしていこうと、心に決めた日曜の昼下がり。



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