『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』ぜひ観ていただきたいのはこの3パターンの方(それ以外はあまりオススメしない)


昨日、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』をレイトショーで観てきたのですが、さすが岩井俊二監督の作品だなあと。



映画終了後の、劇場内の観客の戸惑いの雰囲気。
おそらく、『君の名は。』みたいなものを想像していた方もいたのかなとも思うのですが、そんなことはなく全く大衆向けでない難しい作品でしたね。

私も何かそこまで分かったわけではありませんが、詩的だし、文学的な世界観です。隠喩の宝庫です。自らの創造性によってどんな解釈もできます。
※あまり書くとこれから観ようとされている方の邪魔になってしまうので、これ以上で感想はやめておきます。

さて、では私が思う、この作品を楽しめる方のタイプを3パターン挙げてみます。


■ドラマ版のファンの方

こちらの作品、昔のドラマ版を観られた方はぜひとも御覧いただきたく。その再現度と、さらにそれに対して新たなレトリックが多用されていて、今だからこそできる鮮明かつ新鮮な内容になってます。


※ドラマ版の奥菜恵がかわいい、、、


■岩井俊二監督の作品を、なぜか時々無性に観たくなってしまう中毒者の方(私はこれに該当)

あとは、もちろん岩井俊二監督の作品を今まで観たことがあって、気がつけば時々見返してしまう方にももちろんオススメ。ぜひ。
今回の作品は、過去の作品群と比べるととってもまろやかでキラキラしてて透き通るような心持ちになれます。そういう点では、今までとは一線をかくした作品なのかもしれませんね。

私は確か14歳の時に『リリィシュシュのすべて』を観て岩井俊二監督を初めて知ったのですが、あの時の衝撃は忘れられません。心の一番奥のどす黒い部分が表出し、グイグイ突き動かされるような、あの感覚。観たあとにあまりにも心にきすぎて、息がしにくくなったのを覚えています。
でも、その生々しい感じが忘れられなくて、時々観てしまうんですよね。




■現実と空想の狭間で生きたい方(私はこれに"完全"該当)

あと、現実と空想(といってもネバーエンディングストーリーのようないわゆるキラキラしたファンタジーではなく)が混じり合い、どちらの世界にいるのか分からなくなるような綺麗で混沌とした世界が大好きな方もぜひ。

映画ではないですが、森見登美彦さんの『夜行』、辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』それぞれの、2つの裏表な世界が少しずつ混じり合いだんだんとどちらが本当なのか分からなくなってくる、そんな世界観ととても近いかもしれません。
この映画がお好きでしたら以下の作品をぜひ。以下の作品がお好きでしたらこの映画をぜひ。

夜行

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)


これは諸々賛否両論激しいと思いますので、みなさまぜひご自身で体感してきてください。
この内容を持ってお話できる方も募集。



ちなみに、私が茶道を好む理由とこの『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を好きになる理由は、結構共通していたりします。
私は茶道の中でも比較的狭い茶室で、ほんの少ししか日の光が入らない暗い中、人の顔も朧げに見えるくらいの状態で研ぎ澄ませるように濃茶を練る、点前をするのが本当に大好きでして。

※茶室イメージ
http://kyo-moyai.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-71c3.html

これも私の感覚的には、上記にもあるような現実と空想が混じり合い、だんだんとどちらが本当なのか分からなくなってくる、綺麗で混沌とした世界観なんですよね。自分が他者になっているような、他者が自分になっているような、なんだか生々しい感情がどんどん自分の中に流れ込んでは抜けていく、そんな感覚。

ここらへん、こういう感覚知的なところもあって然るべきかと思って全く言語化できていないのですが、せっかくこうしてブログを書いているのでチャレンジしてみたいところではありますよね。
感覚知・暗黙知は言語化しないと人に理解してもらえないですからね。


さて、今日はブログを初めて100日目。なんだか随分積み重なってきましたね。
今日はいつにも増してゆるふわな文章ですが、こういう日もあります。むしろ、こういう日が時々でもないと続けられません。
だって、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』まだあまり言語化しきれていないんだもの。。。

では、今日はこのへんで。

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