働き始めの20代は、「子供時代に見てきた親の仕事へのスタンス」を知らず知らず踏襲する。




最近の興味分野の1つとして、「20代の仕事に対する動機付け」というものがある。

もちろん、自身が組織開発の仕事をしているということがとても影響しているのだろうが、メディアでも若者の仕事に対するスタンスや働き方について、それに関する単語を見ない日はないのではと感じる。



特に最近ビシバシとこりゃ本当の話だと思うのは、先日も以下のブログ内で紹介した6段階の動機付けの話である。

■当ブログ内記事
「人脈」の構築ではなく、「対話」の構築である、と考えると自分も大勢と話せるかもしれないと思ったという話。
http://yuki-kitamu.blogspot.jp/2017/05/blog-post_17.html


何かというと、マッキンゼー社の調査で、人の動機付けをする事柄には6段階あるというもの。

以下の項目は、上位から動機付けとしては高次のモチベーションであり、下位であればあるほど低次のモチベーションである。

1.楽しさ
2.社会的意義
3.成長可能性
4.心理的圧力
5.経済的圧迫
6.惰性

※なお、続けると長いのでご興味のある方はこちらの原文をぜひ。
Primed to Perform: How to Build the Highest Performing Cultures Through the Science of Total Motivation




これは単にフレームなので、別にこれが正義な訳ではないし、この6段階のどこにいるから良い悪いで片付けることではない。




ただ、これを見ながら思うことがある。
この動機というものは人のどこから生まれるのだろうかと。
その人の、性格が影響してる?その考えるタイミングによる?今までの人生の影響?

そこで私が1つ大きな要因だなと思うのは、「親」だ。

まだあまり多くの働く人を見たことがない20代は、おそらく幼少期、子供時代からずっと見てきた親の仕事へのスタンスの影響をもろに受けるのだろうなと。

これ、特に統計があって証明できる訳ではないのだが、実感値として確かに自身の心の中に存在する。




簡単に例を考えてみよう。

日々とても楽しく働いている親、日々とても辛そうに働いている親がいる。
※共働きだとか父親が働いているのか主夫なのかとか母親が働いているのか主婦なのかという細かい設定は幾分にもあるが、考え出すと止まらないので一旦上記のシンプルな2者にする。

■とても楽しく働いている親の場合

朝ゴハンの時、夜ゴハンの時、親からは「今日も仕事が楽しくてさー」「○○できてすっごく嬉しかったんだよね!」「○○さんの為に頑張るわ!」みたいな話をつどつど聞きながら育った子供は、
「あー働くって楽しいんだな」「私も早く働いてみたいな」「お父さんだけずるい!」と、働くことを夢見て「13歳のハローワーク」を見たり、テレビや映画にかじりついて好きな職業を無意識に選択しているだろう。


■とても辛そうに働いている親の場合

朝ゴハンの時、夜ゴハンの時、親からは「今日も仕事辛くてさ」「○○またできなくて、また怒られてイラついたわ、、」「頑張ることなしに早く土日かもん」みたいな話をつどつど聞きながら育った子供は、
「あー働くって辛いんだな」「私、働きたくない」「ずっと遊んでいたいな」と、仕事へのポジティブな感情なく育ち、いずれ必要に迫られて働くことになるだろう。





さて、では実際にこれを言う私自身はどうだったか。

私の幼少期、仕事の場面に出くわすのは建築士である父と、木材商を営む祖父(母方の)である。

常日頃楽しそうだったかと言うと、正直そうではない。
というか、楽しさを本人たちから感じとる時間があまりなかった。

建築関係ということで土日も仕事があったのでほぼ遊んだ記憶もなく、朝早く夜も遅かったのでゴハンをいつも一緒に食べたわけではなく、家にいる時は机に向かって黙々と図面を引いたり数字と戦っているイメージだ。

父も、祖父も、そんな感じだった。(そこは血の繋がりもないのに似ていたような気もする)


だが、時々職場に連れていってもらうと、二人とも人が変わったように働いていたことを、すごく鮮明に覚えている。

父が設計して建てている家の現場に行くと、父は大工さんたちに「今日の調子どう?」「何かわからないこととかあります?」と声をかけながら楽しそうに話し、時には自分もつなぎを着て大工さんたちに混じって働いていた。私も木を運ぶのを手伝ったり、大工さんたちのお昼ごはんを作ったりしていた。

祖父は自分の工場をいくつか周りながら、工場で働いてくれている方々に「今日の木はどうだ?お前も調子はどうだ?」「いいもん作ってるじゃないか!」などと声をかけ、時には自分で工場の掃除をしたり壊れた設備を直したりしていた。私も一緒に掃除をしたり、冷たいお茶を配って回ったりしていた。

はたまた、父や祖父に関して、その周りで働く方からこんなことも言ってもらっていた。
「君のお父さんが作る家はすごいんだぞー!」「お父さんの仕事かっこいいだろ!」とか、
「こんな田舎で奥さんと2人でこんな大きな会社つくって、勇気くんのおじいちゃんはかっこいいんだぞ!」「おじいさんのおかげで家族にお金を送れて、感謝してます!(中国人の方で出稼ぎの方が多くいた)」とか。

自分の父と祖父がしていることはそこまでわからないけれど、人の為になっているということがとても嬉しかった記憶がある。


では現在。
私はそんな2人の影響を受けている。はずだ。
自分では正確には分からないが、多分どちらかというと仕事は華々しくやるというより寡黙に一人にうにうに考えて作っていくタイプだし、考えるだけでなく自分で手を動かすことも結構好きだ。多分、職人気質なところもある。




さて、私自身の話をしたが、このように振り返ってみると、自身の仕事のスタンスに親をはじめ親族など、身近な働く人が強く影響しているということを、私に関しては言えるように思う。

ただ、上部でも記したが、これは自分の感覚値であり仮説というだけで、特に他の方の具体的な話を意識して聞いてみたことがある訳ではないし、正直他の方はどうかわからない。

ここの感覚を共有できる面々と、そして共有できない面々と、うにうにと話し合ってみたいものである。


"働き始める20代は、「子供時代に見てきた親の仕事のスタンス」を知らず知らず踏襲する。"

ここまで読んでいただいた方はどのように感じるだろうか?



(あ、そうか、来週のイベントでこれを項目にするのもありだな)







コメント