「にじみでる」気持ちは、言葉より強い。




「にじみでる」

すごく、素敵だなと思う言葉。


最近、とある御方から紹介されて先週くらいから読み始めた本たちがある。

それは、辻村深月さんの本たち。



辻村深月さんをご存知だろうか。

数年前に公開された映画『ツナグ』なら観たことがあるかもしれない。

ツナグ

ツナグとは、たった1度だけ死んだ人と会わせてくれる案内人のこと。人と人をツナグ、その中で起きる様々な出会いと別れを描いた作品。




辻村さんは、この原作者だ。




私が最近、一気にこの方の作品を読んでいる。

読んだ作品を列挙してみよう。


ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
凍りのくじら (講談社文庫)

V.T.R. (講談社文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)



まだこの数作品しか読んでいないのだが、私はすでに辻村さんの虜だ。

全作品を読む自信がある。



彼女の作品を読んでいて一貫して感じるのは、過去に対しての強い憧れと、感謝だ。

それを感じるところは至るところにある。


登場人物1人1人がもつ独特な雰囲気、
どこかに置いてきてしまった繊細な気持ち、
いずれの日か自分も感じてみたいと思う強い想い、

どれをとってもとても心に残る。


そして、それを様々なる過去を見つめて、様々なる作品たちを踏襲しながら、形づくっている。

例えば、昔好きだった『ドラえもん』
読むたびに心惹かれた『星の王子様』
気がつけばよく読んでいた『みにくいアヒルの子』


作品を読み進める度に、そんな昔の作品たちが大好きだという気持ちが滲み出てくる。

辻村さんのことを何も知らないけれども、たぶん幼少期から本が大好きで、その大好きな感情を抑えきれなくて、そして憧れてどうしても近づきたくて、自分の作品の中に込めているのだと思う。


そんな風に、人に思ってもらえるって、なんて素敵なんだろう。

私も、そんな風に、「あ、この人ってこんなものが大好きで大好きで仕方ないんだな。その大好きな気持ちっていいな。」と思ってもらえるくらいの愛を持てる人間になりたいものだ。

そんなことを思いながら、今日も私は辻村さんの作品を読んで辻村さんから「にじみでる」その気持ちを自分の中に浸透させていく。

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